時代によって施術法が変わる中国医学の世界
2020/05/10
時代によって施術法が変わる中国医学の世界
戦乱の時代と平和な時代では同じ症状でも原因も違えば体の状態も違います
大昔に整体学校の授業で聞いた中国医学についてのお話。
「中医学の古典文献を紐解くと、同じ病気、同じ症状でも相反するような全く異なる治療法が一冊の本の中に書いてあることがよくある。これは時代が異なると同じ病気、症状でも原因も違えば人の身体の状態も異なるから。中医学の古典の書の代表的なものは、多くが分厚い本で最初に編纂が開始されてから何百年もかけて付け足しながら出来上がったもの。その間には戦乱の時代もあれば平和な時代もあった。食べるものも、人の生活も大きく異なったので、同じ病気や症状にも異なるアプローチが求められたのだ」
現代の日本人は何世紀も前の中国大陸に比べたら圧倒的に平和で豊かな社会なので、この社会にあった施術の方法を我々は模索していかないといけないということが一つ。そして、今のこの時代の同じ社会においても仕事により、環境により、年齢性別人種病歴その他により、身体の状態が大きく異なるのでその点に注意してこれから仕事をして行って下さい、というお話を頂いた記憶があります。
今、新型コロナの感染拡大で長らくお休みをいただいている私は、ほんの４、５ヶ月前までの自分の身体の状態を思い起こすとこの話が非常によく理解できます。
職種によっては死ぬほど忙しい「自粛」の時期、私のようにほぼ休んでいる人と、家で慣れないテレワークに奮闘中の方と、日々現場で走り回り疲れ切ってらっしゃる方では身体の状態が異なります。今までもそういったことを意識しながら仕事をしてきましたが（意識しなくても触ると自然に手が押し方を決めるというのはここでは一旦忘れて）、晴れて営業自粛が明けて営業再開後はこういった違いが大きく感じられるのではないかと思います。
同じコースを受けて頂き、見た目上同じ場所を同じように施術されているようでも、身体の中で起こっている反応は実は人によって異なります。同じような施術を受けても「こないだは全然痛くなくて気持ち良かったのに今日は楽になったけど痛かったー！」ということもあり得るのです。（疲れ切って元気ゼロに近づくほど一般には痛みが薄れて気持ちいい度合いが大きくなります）
人間の身体は複雑です。手を使って身体を直接揉んだり押したりする整体の施術もシンプルなようでなかなかに奥が深いです。複雑さを意識しながら、世の中や季節の変化も意識しながら、お身体を見せていただいております！
